「くもりガラスの向こうを見たいって」
「そう、思い続けていたいから ────」
久しぶりの更新です。ぱるめざむです。
今回は前回・前々回と同じく、アイマスPのディスコ鯖にて好きな曲について発表した時のまとめになります。
発表日は2023年8月26日。
更新が早い(当社比)!!!!!!!!!!
発表曲はイルミネーションスターズの「トライアングル」。
それに加えて今回はシャニマスのイベントコミュ「くもりガラスの銀曜日」の話をしています。
~注意事項~
①「Light up the illumination」~「くもりガラスの銀曜日」までのイルミネイベントコミュのネタバレが若干あります。
②内容は全て独自解釈です。
③イルミネの読めていないコミュが結構あります。
問題なければそのままご進行ください。
イルミネーションスターズについて
皆さんは「イルミネーションスターズ」というユニットにどのような印象を持っていますでしょうか?
人によって色々あると思いますが、私は「仲良しユニット」だと思っています。
ユニットの在り方というのは様々ですが、その中でもかなりメンバーの仲が良い部類だと思います。
実際のエピソードとして、3人でのお泊り会が頻繁に開催されていたり、3人での仕事をとても喜んでいたりなどあります。
逆にライバルになるイベントみたいなものがほとんどありません。
これは個人的な感性ですが、仲良しユニットって仲が良ければ良いほどライバルになった時がアツいため、割と世の中にはそういう展開がある気がしますが、5年以上経った今でもそれが無いというのは割と珍しいのでは?と思います。
私がイルミネが好きな理由は正にその関係性にあり、その関係性をとてもよく表しているのがこの曲とコミュだと思っています。今回はそんな話です。
イルミネのイベントコミュについて
その前に、「銀曜日」までのイルミネのイベントコミュの話。
銀曜日は4つ目のイベントコミュですが、個人的にこれより前の3つが結構完成度高いというか、この3つを読めばイルミネのことが分かる!って感じのコミュだと思っています。
ここにも書いてありますが、1クールアニメに例えるなら1-4話、5-8話、9-12話みたいな。
で、じゃあ前3つがそんなに完成しているならこの銀曜日はどういう立ち位置なのか?というと、私は「OVA」だと思っています。
どういうことかと言うと、まずこの「くもりガラスの銀曜日」というコミュは過去と今のイルミネで構成されています。
過去とは前3つのイベントコミュの時のイルミネの話、そして今はそのまま銀曜日実装時のイルミネの話です。
つまり、過去と今のイルミネの話が内容的に対応するような形で交互に進行していくわけです。
実例を挙げて説明します。
まず「Light up the illumination」には灯織が真乃とめぐるのことを呼び捨てにし始めるシーンがあります(第4話)。イルミネにとってとても大きな歩み寄りのシーンです。
そして「くもりガラスの銀曜日」では過去の話として、灯織が真乃とめぐるを呼び捨てで読んでいることにプロデューサーが気付くシーンがあります。
その次に今の話としてプロデューサーがその頃の様子が書かれた日誌を倉庫で見つけ、あの頃を振り返っているというシーンに続きます。
つまり、前3つのコミュ内で描かれなかったが、実は存在していたいくつかのエピソードを回収しつつ、それを今のイルミネの描写と対比して進行していく話が「くもりガラスの銀曜日」なのではないかと思います。
「くもりガラスの銀曜日」について
ここからはくもりガラスの銀曜日を読んでいない人向けに内容の一部を紹介します。
なお時間と内容の都合上端折ったシーンがとてもたくさんありますので、是非実際のコミュを読んでみてください。
①銀曜日
タイトルにもなっているこの言葉ですが、その発祥は真乃がイルミネのグループに送った一文。
イルミネ内で会える日の約束をしている時に、真乃が「金曜日、遊びに行けたらいいな」と送信します。
その後真乃が街を歩いていると、たまたまめぐると遭遇します。
そしてそこでめぐるから、先ほどのメッセージが「金曜日」ではなく「銀曜日」になっていたことを聞かされます。
しかしめぐるはこの銀曜日という言葉を「なんだかいいなって思った」と話し、「今日を銀曜日にしたい!」と真乃に提案します。
これによってしばらくの間、イルミネでは「偶然皆の気持ちが揃った日」のことを「銀曜日」と呼ぶようになります。
これが「銀曜日」の始まりです。
ここで「トライアングル」の歌詞を見てみます。
深夜に飛び交うメッセージ くだらないことで笑える
昨日より今日 明日と増えてくる秘密の合言葉
とあります。
さきほどのシーンでは深夜ではなく昼間でしたが、昼間でもこのようにやりとりをしているのであれば深夜も色々話しているのは容易に想像出来ます。
そして「秘密の合言葉」。
これは他の人が聞いても意味が分からない、自分たちだけの言葉のことだと思います。ここに出てきた「銀曜日」もそれに当てはまりますね。それが昨日より今日、明日と会話の中でどんどん増えていく、ということです。
ここの歌詞めっちゃすき。
②ドーダン
話をコミュの内容に戻します。
結局その日は灯織の都合がつかなかったため、別の日に集まることに。
場所は、真乃とめぐるが出会った場所の近くにあった純喫茶「ドーダン」。
改めて待ち合わせをし、3人は初めてこの店に入ります。
最初こそ人の少なさや店主の雰囲気に気圧されていましたが、オススメと書かれていたあんみつがとても美味しく、これ以降も定期的にこのお店に行くようになります。
そして「トライアングル」の歌詞にも待ち合わせという言葉があります。
先ほどの一件からイルミネがよく待ち合わせをしているというのがなんとなくわかります。
3人で待ち合わせの約束をするだけで何度もスケジュールを見返したり、胸があったかくなっていくほどにそれを楽しみにしている、と読み取れます。
ほんと仲良いなこのユニット。
③くもりガラス
タイトルになっているということは重要ということです。
わざわざ説明する必要もないかもしれませんが、くもりガラスとは向こう側が見えなくなってるガラスのことです。原理的には表面に細かい凹凸をつけることで光が乱反射して見えなくなっているらしい。
そして作中では、先ほど説明した「ドーダン」の店内にある大きな窓がくもりガラスになっています。
向こうに何があるのかはっきりとはわかりませんが、光の感じ的におそらく庭があるのでは、とイルミネは予想しています。
窓の鍵は錆びて開かなくなっており、イルミネは誰もこの窓の向こうを見たことがありません。
④以心伝心
この言葉はイルミネに来たインタビュー記事のタイトルとして登場します。
このタイトルは相手側から提案されたものですが、プロデューサーは一度これにOKを出し、電話の中でイルミネについて「もう(お互いについて)知らないことなんてないんじゃないでしょうか」と話しています。
その後、仕事を切り上げプロデューサーがご飯を食べにドーダンに行くと、たまたまそこにはイルミネの3人が。
偶然に驚きつつ、少し思い出話などしていましたが、そこでプロデューサーがちょうど良かったと先ほどのインタビューの話をしようと鞄を探します。しかし、なかなか資料が見つかりません。
探していく中で、鞄の中からは様々なものが飛び出します。
そんな様子を見て、真乃が「私たちの知らないプロデューサーさんが、いっぱい隠れた鞄なんですね」と言ったのをきっかけに、互いの秘密についての話題に移っていきます。
真乃はたい焼きを頭から食べる、めぐるは三角食べが苦手など、様々な話題が飛び出す中、灯織は自身の秘密を聞かれて、「じゃあ、当ててみて」と言います。
ここからは実際のコミュの流れをご覧ください。
というわけで、プロデューサーは一度OKを出したはずのインタビューの仕事をイルミネに見せませんでした。これは何故なのでしょうか?
そのことについて考えるために、一度「以心伝心」とはどういうことかについて考えてみます。
「以心伝心」とは、互いの心から心に伝えること。言語では説明出来ない深遠・微妙な事柄を相手の心に伝えてわからせること。とあります。
ではこれを踏まえて、イルミネーションスターズは「以心伝心」なのでしょうか?
ここで一度、「銀曜日」が出来たきっかけを振り返ってみましょう。
「銀曜日」はいくつかの偶然がたまたま重なった日に生まれ、「偶然皆の気持ちが揃う日」という意味になりました。そして、今プロデューサーとたまたま出会った「ドーダン」に通うようになったきっかけもこの「銀曜日」です。
もしイルミネーションスターズが「以心伝心」なのであれば、これらを「偶然」とは言わないのではないでしょうか。
唐突ですが、ここで「トライアングル」のサビの歌詞を見ます。
キミの好きなこと したいこと
まるごと知りたいよ 教えてね
とあります。
先ほどの話からイルミネは以心伝心ではないと仮定すると、では何故イルミネは周り(ここではプロデューサー)からは以心伝心に見えるほど通じ合っているのか、という疑問が出てきます。
そしてそれに対する答えが、この歌詞なのではないかと思います。
つまり、イルミネが通じ合っているのは、
お互いのことを知りたいと思っていて、そして教え合っているから、ということです。
日常生活の中でも、「相手のことを知りたい」という感情を抱くことは誰しもあると思います。
しかし例えば、突然目の前に神様か何かが現れて、「相手の全てを知ることが出来るようにしてあげます」と言われたら、皆さんはそれを望みますか?
この問いに答えはありませんが、イルミネがもしこの立場になったとしたら、きっとそれを「望まない」と私は考えます。
何故ならイルミネは「相手の全てを知りたい」のではなく、「相手のことを知りたいと思い続ける」ことを大切にしているからです。
そしてそれがよくわかるシーンが、冒頭のセリフのコミュ、第6話「くもりガラスの銀曜日」です。タイトルということは大事ということである(二回目)。
このコミュでは、ドーダンにて店主と灯織の会話が繰り広げられます。
店主の窓の向こうを見ますかという申し出を、灯織は断ります。
そして、
先ほどの話に例えるならば、窓の向こうにある庭は「相手の心」、その前にあるくもりガラスは「自分から見た相手」。
向こう側にあるもの全ては分からないけれど、くもり越しでもそれが綺麗なことは分かります。
向こうにあるものが綺麗だとわかっているから、何があるのか知ってみたくなります。
だからくもりガラスを見つめ続けて、あのたくさんの色は何なのか、向こうには何があるのか考えます。
見えそうで見えないものを、ずっと考え続けているわけです。
そしてそれはそのままイルミネの関係性に繋がります。
相手の心を見つめ続けて、自分の心を教え続けている。
イルミネが通じ合っているのは、ずっとそれをし続けているからなのでしょう。
以心伝心なんて特別なものではなく、ただ伝え続けている。
それこそがイルミネーションスターズなのではないでしょうか。
おわりに
個人的な印象ですが、この「くもりガラスの銀曜日」で三人を中心としたイルミネのコミュは一区切りになっているように感じています。
そして次の「青のReflection」からはイルミネだけでなく、そのファンや仕事相手など、多くの人を巻き込んだ物語が展開されます。
そしてそういった人達に対してイルミネは何が出来るのか、というのを考えることが増えます。
つまり、「イルミネーションスターズ」の関係性は今や三人だけで完結せず、多くの人を巻き込んでどんどん大きくなり続けています。
それはまるで三角形の中に多くの星がまたたくように。